バスケットボールのチーム内でセンターを任されれば、ポストプレーをする機会が増えます。
しかし、監督やチームメイトからいきなり、
- 「センターをやれ!」
- 「ポストプレーを上達させろ!」
- 「YouTubeを見ればわかる!」
と言われても、どうすれば良いかわからないですよね。
私は中学生にバスケットボールを15年以上指導した経歴があり、センターにポストプレーを教えて大会で優勝した実績がたくさんあります。
JBA公認のコーチライセンスも取得していますよ↓↓↓
そんな私がこの記事で、センターに必要なポストプレーのコツや上達法を徹底解説します。
ポストプレーが上手い選手になると、チームのオフェンス能力や得点力はぐっと向上し、監督やチームメートから感謝されますよ。
この記事はこんな人にオススメ
- チームでセンターを任されたけど、動き方がわからない
- 試合の結果に伸び悩みを感じている
- 自分のポストプレーの幅を広げたい
【バスケ上達】センター編|ポストプレーとは?
ポストプレーとは、主にセンターやフォワードポジションの選手が行うプレーです。
ディフェンスやゴールに背中を向け、ペイントエリアと呼ばれるゴールの付近で1対1を狙います。
ペイントエリアは、下の図で赤く囲まれた部分のことです。
2023年現在、ペイントエリアは上の図のように長方形ですが、昔は台形だったんですよ。
ペイントエリアのことを台形と呼んでる方がいれば、プレーしていた年代がわかってしまいますよね^ ^;
下の図を見ればわかるように、長方形のゴール付近を「ローポスト」、フリースロラインの近くは「ハイポスト」と呼びます。
ペイントエリアは制限区域とも呼ばれ、ペイントエリアの中に3秒以上いた場合はバイオレーション(反則)になってしまいます。
また、ペイントエリア内は相手が必死でディフェンスをしてくる場所です。
したがって、一瞬で良いので素早い動きを使い、ゴールを狙いましょう。
ポストプレーでは、場合によってはドライブ・ターン・フェイクを使うことでオープンになり、より効果的なシュートに持ち込む必要があります。
バスケにおけるポストプレーの重要性
そもそも、なぜバスケットボールにおいてポストプレーが重要なのでしょうか。
ポストプレーを行うメリットは以下の通りです。
- 確率の高いシュートが打てる
- ディフェンスを収縮させられる
バスケットボールという競技では、ゴール付近でシュートを打てば高確率で得点することが可能です。
なので、ペイントエリア付近で行われるポストプレーは、効率良く得点できる可能性が高く、ほとんどのチームオフェンスに組み込まれています。
当然、ディフェンスはポストプレーを警戒するため、周りの味方がフリーになりやすいということもメリットです。
上の図のように、ペイントエリアでボールを持った選手には、周りのディフェンスが収縮します。
味方に対してのガードが甘くなるので、フリーでシュートが打てたり、空いたスペースにカットインをしてきてボールを受けることが可能です。
ポストプレーは、このようにチームオフェンスのバリエーションが広がりやすくなるきっかけを作り出すという特徴を持っていますよ。
【バスケ上達】センター編|ポストプレーにおけるボールのもらい方
ポストプレーを行う上で最も重要なことは、ボールのもらい方です。
パスがもらえないことには、ポストプレーは始まりません。
センターがポストプレーのためにポジショニングすることを、バスケットボールでは「面を取る」と言います。
確実にパスをもらってポストプレーを始められる、面の取り方は以下の3つです。
- 身体の側面で相手をおさえる
- 身体の背面で相手をおさえる
- ディフェンスの裏をとる
身体の側面(半身)で相手をおさえる
面を取る方法として一番よく見られる形が、ディフェンスを「身体の側面で相手をおさえる方法」です。
半身でディフェンスを押さえるとも表現します。
上手に行うポイントは、相手ディフェンスに対して、自分の身体が直角に入るように面を取ることです。
上の図のように、自分とディフェンスの身体で「Tの字」を作ることを意識しましょう。
ディフェンス側にある自分の腕・肩の後ろ側・脇腹・腰・太ももの裏の5点は、必ず相手に密着させることがポイントです。
相手に接している5点を1枚の壁のように使い、ディフェンスの身動きを封じることができるので、安全にボールがもらえますよ。
上の図のように、ディフェンスがいない側の手を「ターゲットハンド」として出すと、味方がパスの目標にできるので安心してパスを出せます。
半身で面が取れれば、ボールをもらう側の足を後ろに引きながらパスをキャッチするだけで、ポストプレーの攻撃パターンになりますよ。
ポストプレー初心者は、まずこの「身体の側面で相手をおさえる」方法をマスターしましょう。
身体の背面で相手をおさえる
自分の真後ろにディフェンスがポジショニングした場合は、ディフェンスを「身体の背面で相手をおさえる」方法が有効です。
この時、必ず自分の背中がディフェンスと密着するよう相手に接触してください。
ディフェンスと自分の背中の間に隙間ができると、相手を自由にさせてしまい、パスカットされる可能性があるからです。
上の図における矢印と同じく、ディフェンスに密着するよう、背中で相手をゴール方向へ押し込みましょう。
両足は肩幅に開いて、後ろに向かって力強くステップをしていきます。
両手を頭上で大きく広げターゲットハンドにして、パスの合図をしてください。
上の図のように、両手を頭の上で広げることで、味方も頭上からパスすることができてパスミスが少なくなります。
背中で面が取れれば、ボールをもらった後でも、そのままディフェンスを背中でゴール方向へ押し込むことも可能です。
リングへ簡単に近づけるので、シュートが狙いやすくなりますよ。
ディフェンスの裏をとる
ディフェンスが自分の前にかぶさってきた場合は、「ディフェンスの裏をとる」方法を試してください。
無理に前へ出ようと動き回らなくても大丈夫ですよ。
かぶさってきたディフェンスの背中に、半身を当てて前に押し出しながら、リング側にターゲットハンドを出します。
上の図における矢印と同じ方向へ向かって、しっかりと相手を前に押し出しましょう。
押し出しが足りないと、ボードの下でパスをもらうことになるため、パスを受けてすぐにシュートが狙えません。
また、裏へロブパス(山なりに浮かせたパス)を出してもらうために、ターゲットハンドは指差しをするなど工夫すると効果的です。
上の図のように指差しをすれば、リング側の空間にボールを要求していることが味方に伝わりますよね。
「ディフェンスの裏をとる」方法は、相手のフィジカルが強かったり、自分より背が高い選手にマークされている場合にオススメですよ。
上手くパスがもらえれば、キャッチしてすぐにシュートが狙えます。
【バスケ上達】センター編|ポストプレーでボールをもらうコツ
多くの方は、ポストプレーの練習といえば、ドライブやターンなどボールをもらってからの技術面を練習してしまいがちではないでしょうか。
しかし、前述した通り、パスがもらえなければポストプレーは始まりません。
ここからは、ボールをもらうために必要な3つの原則を、以下の順番でご紹介します。
- スピードを出すタイミングを意識する
- オープンになった瞬間に声を出す
- ターゲットハンドを示す
スピードを出すタイミングを意識する
味方にパスを要求する直前には、一度立ち止まってみてください。
ディフェンスが自分に合わせて立ち止まった瞬間に、一気に走り出して相手を振り切ります。
バスケットボールは、相手とのスピードのズレを、メリハリのある動きで作り出すことが重要です。
仲間が安心してパスを出せるよう、ディフェンスとのズレを生じさせましょう。
オープンになった瞬間に声を出す
オープンになり、パスが欲しい瞬間に、一度だけ声を出すことで味方に合図します。
「はい、はい、はーい!」と何度も声を出してしまうと、混乱を招くのでやめましょう。
また、声を出し続けてボールを要求していると、ディフェンスに警戒されてしまう危険性もあります。
絶好のタイミングで一声を出せば、それだけでパスが回ってくるはずですよ。
ターゲットハンドを示す
ボールが欲しい位置に、ターゲットハンドを出すよう心がけてください。
ターゲットハンドと挙手は完全に別物ですので、パスが欲しいことを挙手でアピールしてはいけません。
ボールが欲しい場所に大きく手を広げて、味方にわかりやすく知らせてあげることが必要になります。
前述したように、「この辺に出して」「裏へロブパスが欲しい」と指差しで知らせる方法も効果がありますよ。
【バスケ上達】センター編|ボールを受けてからのポストプレー
それでは、いよいよボールを受けてからのポストプレーを解説していきます。
ゴールに対して背中を向けて行うため、ポストプレーではターンをして振り向くタイミングが重要です。
インサイドプレーでよく使われる、以下のターンやスキルを習得しましょう。
- ターンアラウンド(フロントターン)
- リバースターン
- アップ&アンダー(ステップイン)
- フックシュート
- フェイダウェイシュート
- ドロップステップ(たて足・スピン)
- スピンムーブ
ターンアラウンド(フロントターン)
軸足とは反対の脚を外側から前方に回し、ゴールへ振り向く技術がターンアラウンド(フロントターン)です。
ターンアラウンドで発生したマークマンとの身体のズレを利用し、ジャンプシュートやドライブといった1対1が展開できますよ。
高身長のインサイドプレーヤーが使えば、効果的に得点することができるでしょう。
リバースターン
軸足とは反対の脚を内側から引くように後方へ回して、ゴールに正対するターンをリバースターンと言います。
リバースターンは、マークマンとの間にスペースが作れるので、ある程度の間合いで1対1を仕掛けることが可能です。
相手ディフェンスよりサイズのないスモールセンターでも、クイックネスなら負けないという自信のあるプレイヤーが使えば、効果のあるターンになりますよ。
アップ&アンダー(ステップイン)
シュートフェイクでディフェンスをかわし、ゴールに対して踏み込むスキルがアップ&アンダー(ステップイン)です。
インサイドプレーでは多く使われており、有名なスキルになりますよ。
基本はフロントターンで踏み込みますが、マークマンとの間合いが近ければ、リバースターンで踏み込めば華麗に相手を出し抜けるでしょう。
フックシュート
身体の横から腕を伸ばして放つシュートのことをフックシュートと呼びます。
ディフェンスのブロックを意識し、両肩の幅を使うシュートの技術です。
ディフェンスからすればブロックが届かないので、止めるのが難しいスキルになります。
フェイダウェイ
後ろに重心を傾けてジャンプし、マークマンから離れながら打つシュートがフェイダウェイです。
フックシュートと同じく、ディフェンスをかわすためのプレーとなります。
ディフェンスとしっかりと密着して動きを止めてから行えば、ブロックされる心配はありません。
ドロップステップ(たて足・スピン)
ボールをもらう(ドリブルをキャッチする)と同時に、ディフェンスの片脚をまたぐような形で、自分の片脚をゴール側へ忍ばるのがドロップステップ(たて足・スピン)です。
自分の片脚を忍ばておくことで、ボールをもらった(ドリブルをキャッチした)瞬間に、ディフェンスより1歩分早く動けるので、有利に1対1を進めることができますよ。
ドロップステップ(たて足・スピン)を使えば、ドリブルを使わずに、片脚を引き寄せる動作だけでシュートを打つことが可能です。
スピンムーブ
自分の身体をコマの様に回転させ、ディフェンスを抜き去るスキルをスピンムーブと言います。
マークマンと自分の間にスペースがなく、相手が後ろから圧力をかけてきている場合に有効となるドライブ技術です。
ディフェンスが自分の後ろの左右どちら側に立っているのか位置を把握し、相手がいない方へ素早くフロントターンして使いましょう。
以上、センターに必要なポストプレーのコツや上達法を解説してきました。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの本が参考になりましたので、ぜひ購入して読んでみてください↓↓↓
結論:バスケでセンターがポストプレーするにはパスのもらい方が大事!
今回は、バスケットボールでセンターがポストプレーする時の効果的な方法を、上達するコツとして解説しました。
1対1に自信がない場合でも、ペイントエリアでボールを受ければ、ディフェンスが収縮するので、攻撃に貢献できますよ。
優秀なセンタープレーヤーになるには、ボールがもらえる回数を増やすことから始めてください。
面の取り方やボールをもらうコツ、身体の当て方がマスターできれば、「ボールがもらえない」という状況が減ってくるでしょう。
ペイントエリアでボールを受けることが上手になってきたら、ボールを受けてからのポストプレーも練習してください。
センターがペイントエリアで止められない存在となれば、チームは非常に強くなりますよ。
これからも、センターポジションでポストプレーをするバスケットボール選手を応援していきます。