中学や高校で、バスケットボール部を指導している熱心な指導者の方々であれば、
- 試合で子どもに勝たせてやりたい!
- バスケ初心者にどう接するべき?
- 勝てる指導者の心構えが知りたい!
と、一度は思ったことがあるはずです。
私も同じことに悩んでいた1人でした。
私は中学の元教員で、バスケットボール部を15年以上指導した経験があります。
JBA公認のコーチライセンスも取得しました↓↓↓
この記事では、そんな私が実際に読んで、特に役に立ったオススメの本をご紹介します。
一流の指導者や、指導者として持つべき心構えを知るヒントが得られますよ。
この記事はこんな人にオススメ
- ミニバス、中学、高校のバスケ指導者
- 将来バスケ指導者になりたい人
- バスケと読書の両方が好きな人
>>>バスケのシュート上達のコツ|女子編【動画でJBA公認コーチが解説】
バスケ指導者にオススメの本3選
私がバスケ指導者として駆け出しの頃に読んだ本の中で、今振り返ってみても、
「この本は読んでてよかったな」
と心の底から思える本は以下の3冊です。
- 元祖プロ・コーチが教える 育てる技術
- 日本一勝ち続けた男の勝利哲学
- 高校バスケは頭脳が9割
①元祖プロ・コーチが教える 育てる技術
出版社 | ディスカバー・トゥエンティワン |
著者/編集 | ジョン・ウッデン |
ページ数 | 131ページ |
本書を読んでわかること
- コーチや人としての振る舞い
- 『成功のピラミッド』の概念
- 人間性の教育の重要さ
本書の著者は、その卓越した指導力ゆえに「ウェストウッドの魔術師」「20世紀最高の指導者」と呼ばれたジョン・ウッデン監督。
ジョン・ウッデン監督が指導したUCLA大学は、1960年から1970年代にかけ、7連覇を含む10度の全米制覇を達成しました。
バスケットボールの戦術の1つである『UCLAカット』は、当時のUCLA大学が多用していたオフェンスの形が由来となっています。
10数年前に、本書を読んで感銘を受けた私は、UCLA大学を一目みようとアメリカ合衆国のロサンゼルスに訪れました。
記念館には、当時のジョン・ウッデン監督のメモ書きが展示されており、念願叶った私は大興奮でした^ ^
上記の画像は、ジョン・ウッデン監督のゾーンオフェンスに関するメモ書きです。
当時の日本は、中学校でもゾーンディフェンスを使っても良かったので、これを見た私は感激しました。
上記の旗には、"Be quick, but don't hurry."という、ジョン・ウッデン監督の名言が書かれています。
日本語にすると「素早くやろう、だが急ぐな」という意味で、バスケ指導者の指導理念や哲学に通じる言葉でした。
本書でも紹介されていた『成功のピラミッド』も展示されていました。
ジョン・ウッデン監督は成功について、
「"成功"とは、自分のベストを尽くし、自分がなり得る最高の自分を目指し続けたと自ら思える心の平静を持てることである」
と、本書でも定義しています。
『成功のピラミッド』とは、ジョン・ウッデン監督が定義した成功を達成するために必要な概念を、1つ1つのブロックにしたものです。
本書は読者に、バスケ指導者として以前に、人としてどのような考え方や接し方をするべきかを示唆してくれます。
ビジネスにも応用可能であり、特にコーチをする方は絶対に読むべき1冊です。
②日本一勝ち続けた男の勝利哲学
出版社 | 幻冬舎 |
著者/編集 | 加藤廣志 |
ページ数 | 222ページ |
本書を読んでわかること
- バスケ指導者に欠かせない情熱
- 著者がチームに強みを見出した過程
- 指導者である前に1人の人間としての物事への向き合い方
本書の著者は、秋田県にある能代工業高校(現在は能代科学技術高校)の指導者であった加藤廣志監督です。
能代工業高校と言えば、日本人初のNBAプレーヤーであり、現在は宇都宮ブレックスに所属する田臥勇太選手の母校として知られています。
本書にも大きな影響を受けた私は、能代工業高校にも訪れました^ ^
上記の画像は、今ではもう見ることのできない能代工業高校の学校銘板です。
「ここがバスケの名門・能代工業高校か」と感激した覚えがあります^ ^
上記の画像のように、能代の駅のホームにはバスケットゴールが設置されています。
街全体でバスケを盛り上げていたので、バスケ好きにの私にはたまりせんでした。
加藤廣志監督の主な教え子は以下の通りです。
- 山本浩二
- 小野秀二
- 内海知秀
- 鈴木貴美一
- 加藤三彦
- 佐藤清美
- 目由紀宏
- 金子寛治
- 佐藤信長
- 長谷川誠
- 関口聡史
加藤廣志監督は、現在も国内トップリーグの指導者である方をたくさん輩出されました。
本書では、当時まだ無名だった時代の能代工業高校が、どのようにして不敗神話を築き上げたのかを知ることができます。
加藤廣志監督のバスケットボールにかける情熱や、あぐらをかいて失敗したエピソードなども盛り込まれた良書ですよ。
当時からこれだけの行動力がある人がいたのかと気付かされ、読んだ人の心にも行動する勇気が湧いてきます。
やってみたいことがあるのに、なかなか行動に移せないなど、バスケ指導者の持つ悩みを吹き飛ばしてくれる一冊です。
③高校バスケは頭脳が9割
出版社 | 東邦出版 |
著者/編集 | 三上太 |
ページ数 | 238ページ |
本書を読んでわかること
- 各監督の選手やチームを見る目
- 推薦選手のみに頼らず、結果を残した指導者の考え方
- 人間として学生に向き合う姿勢
高校運動部の「頭脳が9割」シリーズのバスケ版です。
バスケの他には野球・サッカー・バレー・ラグビーなどの学生スポーツがあります。
高校バスケの名将と呼ばれる指導者たちに、指導哲学・指導理念を取材して紹介されている一冊です。
本書には、以下の指導者のインタビューが掲載されています。
- 高橋仁監督(山形県立商業高校 他)
- 佐藤久夫監督(仙台大学附属明成高校 他)
- 色摩拓也監督(尽誠学園高校)
- 安江満夫監督(岐阜女子高校)
- 近藤義行監督(船橋市立船橋高校 他)
佐藤久夫監督と言えば、NBAドラフトで日本人初の1巡目指名選手となった八村塁選手の恩師です。
八村塁選手の存在で、仙台大学附属明成高校はとても有名になりました。
色摩拓也監督は、日本人で2人目のNBAプレーヤーとなった渡邊雄太の恩師として有名です。
渡邊雄太選手は今でも、オフになると必ず尽誠学園高校に顔を出すんだとか。
この本が出版された時点では、上記の2人はまだNBA選手ではありませんでした。
将来のNBA選手を育てた指導者を取り上げていたということから、著者には先見の明があったことがわかります。
その他にも、男女の指導を問わず、全国でも有名な高校チームの監督の話が紹介されていますよ。
高校バスケの指導者は教師が多いので、本書で紹介されている監督も、教師と兼務されている方、もしくは元々教師をされていた方です。
こうした傾向もあってか、どの指導者もバスケのスキルや戦術のみを教えるのではなく、高校生を一人の人間として成長させようという考えを持っていることがわかります。
高校バスケの全国大会を、より面白く観戦できるようにもなる良書ですよ。
結論:一流のバスケ指導者の著書はどれも人間性の教育を重要視している
今回は、バスケ指導者向けの本の中でも、私が過去に最も影響を受けた、オススメの3冊をご紹介しました。
学生のバスケ指導者は教師を兼務されている方が多いです。
そのことから、どの指導者もバスケのスキルや戦術だけでなく、人間性の教育を重要視していると、当時の私は感じました。
今回ご紹介したバスケ指導者の皆さんは、ご自身で試行錯誤した結果、この境地に辿り着いていることに違いありません。
その過程で、スキル・戦術を教えているだけではチームが強くならないということが理解できてくるのでしょうね。
また良い本があれば、ご紹介します!
女子バスケ選手や指導者向けに、バスケのシュートの上達のコツを下記の記事に書いたので、ぜひ読んでください↓↓↓